研究会概要

日本ホルター・ノンインベイシブ心電学研究会(JASHNE)の歩みとご支援のお願い

JASHNE研究会
代表幹事 田邉 晃久
前東海大学循環器内科(現非常勤教授)
海老名総合病院心臓血管センター顧問

 '日本ホルター・ノンインベイシブ心電学研究会Japanese Society for Holter & Noninvasive Electrocardiology (JASHNE)'は、ホルター心電計に代表される携帯型あるいは植え込み型心電計によりモニターされた心電情報の構築、分析ないしその応用を研究することから、心電学・不整脈学の発展ならびにその社会への還元を目的とした学術研究会であります。研究内容は、心電図や不整脈研究はもとより、心拍変動解析、加算平均心電図、QR/RR解析、T-wave alternans (TWA)、T-wave variability (TWV)、Heart rate turbulence (HRT)、非線形解析、Wavelet解析、伝送心電図、Deceleration Capacity (DC)、心磁図などノンインベイシブ手法を駆使した研究、あるいはペースメーカや植え込み型除細動器に内蔵される心電情報解析のアルゴリズム開発や皮下植え込み型ループ小心電計、遠隔モニタリングなど多岐にわたります。
 研究会の誕生は1981年11月「Holter心電図コロキュアム」の研究集会に遡ります。当時、ホルター心電図法という新しい技法への関心と期待が大きく研究会場は超満員という盛況でした。翌年、研究会名称は「ホルター心電図研究会」と名付けられ、以降、年1回学術研究会が開催され長時間心電図に関する基礎的、臨床的研究の新知見が次々に発表されました。カセット・レコーダ方式を採用したホルター心電計の新たな開発もF社等、佐藤忠一教授(聖マリアンナ医科大学)、岡島光治教授(藤田保健衛生大学)らを中心に促進されました。1985年にはホルター心電図に関する大書'長時間心電図の臨床―その原理と判読の実際'(岡島光治、早川弘一、矢永尚士教授編著)が出版され、心電学研究にいそしむ専門家は大いに参考にしたものでした。
 当時、ホルター心電学研究の国際組織としては'International Society on Ambulatory Monitoring(現在のISHNE)がありました。本研究会から矢永尚士教授(九州大学)が国際担当幹事として両研究会の関連推進に尽力されておりましたが、わが国のホルター心電学研究のレベルの高さが国際的に認められ、第7回国際Ambulatory Monitoring心電学会(会長 早川弘一日本医科大学教授)が東京で開催されることになりました(1996年5月8 - 10日)。
 その後、ホルター心電図法は医学と工学の共同作業により新たな展開をみせ、記録・解析のdigital化とともに自律神経機能や心臓突然死予知の評価さらにはペースメーカや植え込み型除細動器を含む植え込み型機器のアルゴリズム開発へと繋がりました。すなわち、新たな特殊手法のもと非侵襲的(ノンインベイシブ)に生体情報を多元的に捉え、生命予後解析や治療の一角への参入を可能としました。
 以上のように、ホルター心電図法そのもののみでなく、その応用を中心にノンインベイシブ手法が駆使された経緯もあり、2006年6月から'ホルター心電図研究会'は'日本ホルター・ノンインベイシブ心電学研究会、Japanese Society for Holter & Noninvasive Electrocardiology ? JASHNE'と名称を変更し新たにスタートしました。この間にもわが国の研究成果は先駆的で、率先してこの分野の発展に寄与した功績から、わが国での2回目の国際ホルター・ノンインベイシブ心電学会(ISHNE学会)の開催が求められました。 国際ISHNE学会は従来、欧米(南米を含む)を中心に開催され、アジアでは前述したわが国の第7回大会が初めてでありましたが、ここに第13回ISHNE国際学会(会長 田邉晃久東海大学教授)が 2009年6月4日から3日間横浜で開催することになりました。この学会は第29回JASHNE心電学研究会(会長 杉薫東邦大学教授)と合同で行なわれ、31カ国、720余名の参加者のもと盛大なものとなりました。
 JASHNEは代表幹事であった初代岡島光治教授、二代早川弘一教授を初め多くの先輩ならびに同僚の方々のご尽力により発展してまいりました。今後、本研究会がホルター・ノンインベイシブ心電学領域の研究の進歩とともに、その成果を通して心臓病、とりわけ不整脈に苦しみ、悩んでおられる患者さんに多くの光があたるよう努力していきたいと考えております。皆様のご協力、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

日本ホルター・ノンインベイシブ心電学研究会役員名簿(76KB)

会則(151KB)

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